イェェモン

イエモン、えぇもん、そのふたつについて。

夜勤明けにぶらり散歩した話。

僕は月の半分くらいは夜勤をしている。

 

夜勤の休憩中は、仕事が終わったらどう過ごすかを考えるのが、僕の習慣である。昨日は、仕事終わったら速攻で銭湯にいって仮眠をとり、仮眠を終えたら夜に駅前に繰り出そう。そんなことを企てた。

 

 

 

いつもながらに仕事を終え外に出て、さぁてとりあえずコンビニでご飯買おうかな〜と思って会社を出たところ、日差しが強いことに気づいた。空を見上げると真っ青。ものすっごく外が晴れていたのだ。

 

そこで夜勤中に企てた計画は捨て、散歩をすることにした。考えるよりも先に、身体が散歩をしたいという感じで動き出した。足がどんどん進む。善光寺まで行こうかなとも考えていたが、歩くうちにもっと散歩を楽しみたいと思い、まっすぐ善光寺にいくのではなく、だいぶ遠回りしながら善光寺に行くことにした。

 

この選択は正解だったようだ。行ったことのないパン屋さん、営業の準備を始める八百屋さんなど、街で暮らす人たちの生活を、普段通らない道を通ることで見ることができた。僕がいる会社は駅前であり、ビルが立ち並び、人の生活を感じられないような街並みが続いているので、こういった景色が目新しい。

 

気ままに歩きながら、善光寺方面に足を運ぶ。

街にある面白みのある看板を発見するのが趣味である僕は、今回も素敵な看板を見つけてしまった。

 

・ラーメン屋みたいな名前の理髪店「大盛軒」

・その近くにあった強そうな名前の店「龍 スナック」 

 

こんな看板が目に入り、ひとりニヤニヤする。

ニヤニヤしながら看板をまじまじみている僕のそばに、サングラスをかけハットをかぶったイカしたお爺さんが、パイプを口に入れ佇んでいた。

 

そしてお爺さんは僕に声をかけてきた。

 

お爺さん「この匂い、臭うかな?」

 

咄嗟のセリフに驚く僕。鼻をひくひくと動かすと、なんだか甘い匂いが、かすかにした。それほど嫌な匂いではない。

 

「いやー そんな臭いませんよ」

 

お爺さん「そっかー いやー女の子は、この匂い好きって言ってくるのよ。バニラの匂いなんだよね。女の子ウケがいいんだよ」

 

「なるほど なるほど」

 

お爺さん「ありがとね 話してくれて」 ←謎

 

「いえいえ、それでは」

 

 

よくわからないが、とりあえずお爺さんの性欲は衰えていないことだけはわかった。そしてさらに足を進める。そして善光寺にたどり着いた。

 

帰ろうかとも思い腕時計を見ると11時。ハッとした僕は近くにある古本屋「大福屋」に足を運ぶことにした。この店は11時から豚カツ屋になるのだ。※よくわからない人は各自調べてみてほしい。

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大福屋には何回か足を運んでいるが、休日になかなか善光寺まで足を運ばない僕にとって、この時間に善光寺付近にいることはレアなことだ。そして前々から、ここのカツを食べてみたかった。

 

大福屋に入ると店主の望月さんがいた。「お久しぶりです。今日はカツ食べに来たんですよ。前から食べてみたくて。」そんな言葉が自分の口から自然に出て来た。

 

2階にあがり、僕はチキンカツ定食を注文した(豚カツやないんかーい という突っ込みはナシにしてほしい、体重がやばいので、せめてもの、なんかアレなのだ。そしてチキンカツも本当に食べたかった)。

 

待っている間、お茶をいただき、店内に置いてあった「ちびまる子ちゃん」を読む。まったりと過ごした。

 

「お待たせしました」という言葉とともに、チキンカツ定食が運ばれて来た。とても美味しかった。ザクザクとした衣というよりか、いい意味でほんのりザクっと、そしてしっとりとした感じのあるチキンカツ。くせになりそうだ。ご飯も味噌汁も美味しい。夏にNOZOKI部(学生時代の友人グループ名)の一員であるショッカーと大福屋に行ったとき、ショッカーが「すみません、おかわりいただいていいっすか…」と言ったことを思い出した。今度は彼にカツも食べてもらいたい。

 

食事と会計を済ますと、カツを揚げる高野さんという男性の方が

「ありがとうございました。よい1日をお過ごしください。」

という言葉をかけてくれた。素敵な言葉に嬉しくなり、僕は夜勤でもうじき家に帰って寝るのだが、なんだか心が暖かくなり元気が湧いた。おいしいカツのおかげもあるのだろう。

 

帰りはバスに乗り駅前へ。途中で西友で買い物をしようと駅の一個前のバス停で降りた。うっかりしていた。もう西友は閉店していた。そしてブックオフで目についた本を500円分くらい購入し、駅近くの駐輪場で自転車に乗り、自宅へ帰ろうと思ったところ、会社の先輩と遭遇した。

 

「…おぅ、なにしてんの?」

時計を見ると12時50分頃、会社の昼休みが終わる時間だった。

 

「夜勤終わって、善光寺までぶらぶら散歩して、帰ってきたとこです。なんだか充実してました。いやーよかった。」

そんな言葉が口からでた。

 

先輩は何がなんだかわからなそうな、善光寺まで散歩して何が楽しいんだという顔をしていたが、僕は楽しかったのだ。楽しい気分のまま、自宅へ自転車で帰り、ベットへダイブ。そして夜の0時くらいに目が覚め、そして今に至る AM8:00。