僕らの話 その4
今までのあらすじ
②見回りの先生に見つかる
③後日、バサラが寮務主事から注意を受ける
④RPGを作ることになる
あらすじでまとめるのは難しいので、
経緯については3話目を参照してほしい。
小説チックに書いてますが、実話です。
では本編スタートです。
※補足
現実の僕らのセリフは「」で表記。
ゲームキャラクターのセリフは『』で表記。
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NOZOKI部でRPGを作った。制作過程については省略。
ゲームが完成したら、バトロワ鑑賞パーティーに参加していなかったNOZOKI部のミリオンに、プレイさせることにした。バサラの部屋にミリオンを呼び出し、PCの前に座らせた。
ミリオン「ゲーマーの俺ならクリアなんて余裕だぜ」
バサラ「まぁ、やってみろって。」
ミリオン「…なんだこれはwww」
タイトルは、NOZOKI部の逆襲 である。
ゲームが始まると、ある部屋に男性キャラクターが1人表示されている。寮務主事(の名前をもじったキャラ)である。男性の部屋には机があり、そこには紙が置かれている。男性キャラクターは、『なにこれ…?』と言って、紙を読み始めた。
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決闘状
我々は退寮という圧力に屈しない!!
決闘を申し込む!! 放課後、屋上に来いヤァ!!
by NOZOKI部
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この紙が画面にいっぱいに表示される。白い紙に赤い文字で書いてあるし、血しぶきみたいなのが付いている。この画像はイチから皆で作成した。
男性キャラ『なに…これ?』
現実世界のミリオンは、こう口にした。
ミリオン「読み始める前にも後にも、なにこれって言ってるじゃねーかwww」
舞台をゲームの中に戻す。
男性キャラは校舎の屋上に呼び出された。ここまで書いていなかったが、戦闘部分以外は自動でゲームが進む仕様になっている。そして読んでいる人もお気づきだろうが、NOZOKI部ではなく、男性キャラの視点で物語が進む。
屋上に待っていたのは、バサラ、僕、デュエル、コーラである。
男性キャラ『君たちを退寮にするぞ』
デュエル『うっせぇ 黙れ!! お前の母ちゃん、ベム、ベラ、ベロ!!』
僕『え…俺、謝りたいんだけど』
コーラ『偽善者ぶってんじゃねーぞ、そんなことより、しゃーぶしゃぶしようぜ』
バサラ『しゃーぶしゃぶ!! しゃーぶしゃーぶ!!』
一同『しゃーぶしゃぶ!! しゃーーーぶしゃぶ!!』
その後、すぐに戦闘が始まる。あと、言い忘れていたが、僕らのセリフはフルボイスとなっている。
戦闘が始まると、視点が切り替わり、僕ら4人をプレイヤーは操作(コマンド選択)することになる。そして男性キャラが敵となる。敵のグラフィックはRPGツクールで用意されていた魔王である。
バサラは リストカット という必殺技が使える。使用すると『きゃぽぉぉぉー!!』というセリフを発する。そして、MPが回復するのだ。
しかし、バサラは魔法を覚えていない。
僕は弓矢で相手を攻撃できる。当時、弓道部に入っていたからである。デュエルは何の技を使えたか思い出せない。コーラは水の魔法を使って攻撃できる。バサラの必殺技がこいつに適用できる仕様だったら良かったのに(できない)。
敵の魔王は、僕ら4人を眠り状態にする魔法であったり、全体攻撃が使えたりする。技がヒットすると即死級のダメージを食らわされる。そして、一番やばいのが必殺技<退寮勧告>である。
退寮勧告を放つ時にCVが流れる。
魔王『加点!! 加点!! 加点ンンウゥゥ!!!』
この技を食らうと、一撃で僕らは全員死ぬ。
ちなみに、魔王は30%の確率でこれを使う。
ミリオンは何回もプレイしたが、魔王を倒せない。それもそのはずだ。なぜなら魔王のHPはRPGツクールで設定できる上限値に設定してあるのだ。
ミリオン「無理ゲーじゃねーか!」
ミリオンのセリフが全てを語っている。このゲームは無理ゲーだ。だって100%クリアできないんだもの。クリアできたときのシナリオも実装していない。今の自分たちでは大人に勝てないということは理解していて、ゲームの中で都合よく勝てるようにするのは、なんか違うくないか?ということに、ゲーム制作中に気づいたのだ。現実世界でこれから色々なことを学んで、大人と対等になりたい とゲーム制作中に僕らは強く思った。
この記事に書いた15才の頃から10年ちかく経ったあと、大人になってからゲームをプレイしたことがある。当時の僕らは尖りまくっていて、イかれていた。でも僕らは僕らなりに、あがいたり、色々考えたりしていたんだろうな と思った。あと勢いがすごすぎた。
この記事を読んでいる人の困惑した顔が眼に浮かぶ。なぜなら、ミリオンもそんな顔をして、バサラの部屋を後にしたから。
なんならブログ書いた自分も、当時を振り返って、コイツらヤバいな って思っている。
おわり。
第5話のリンク。違う話になります。