僕らの話 その2
前回のあらすじ
寮生活開始から間もなくして、NOZOKI部という集団を結成。活動方針は寮生女子の姿を拝むことであったが、NOZOKIできない(女子部屋はカーテンを閉めきっている)ことが発覚。女子の姿を一度も拝むことなく、活動方針を変更。青春をとことん楽しみ、バカなことをやろうぜ!という集団になった。
いまから語るのは、僕らが今よりずいぶん尖っていた10代後半の青春物語である。
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http://yellow-ukikey.hatenablog.com/entry/2018/09/16/161516
登場人物おさらい
僕→副部長
バサラ→部長。マクロス7が好き。
コーラ→バサラと同室の男
デュエル→勝負と博打が好物
ミリオン→僕とバサラと同じ学科。
ある日、みんなで映画を観ながらパーティーしようぜ ということになった。寮の自室は狭いし広々とやりたいということで、会場は寮の食堂に決定。近くのコンビニやドラッグストアでお菓子とジュースを大量に購入し、食堂の机にひろげ、PCをセッティング。宴の始まりである。
寮の食堂は全寮生が使う場所なので、とても広い。この広々とした空間をNOZOKI部で占有ことにワクワクした。
みんなで観たのは、藤原竜也主演のバトル・ロワイヤル。自分と同世代の登場人物が命がけで戦う様を観ながらお菓子パーティーをした我々は、デスノートの主人公、夜神月よりも狂気じみていた。
自分は正直グロテスクが得意ではなかったのだが、お菓子はうまいし、これはこれで皆でワイワイ楽しいなと 感じた。ミリオンは部活が忙しくて参加できなかったので、後でお菓子を差し入れることにした。
バトロワ上映中、柴崎コウは最高、あとみんなで今度アダルトなDVDを観ようという意見で4人が団結したところで、後ろから野太い声が聞こえた。
「おい、なにをやっとるんだ」
見回りの先生である。
「バトロワ観ながら…」
「パーティーっすけど…」
あるがままを話す僕ら。
「いま食堂使っていい時間じゃないこと、分かってるんか。寮務主事に報告するぞ。」
先生が口にした。
「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛!゛」
PC画面の中の竜也が叫ぶ。
PCは閉じることにした。
尖っていても15才。
大人に勝てない僕ら。
宴を中止せざるをえなかった。
その先生のことは秋葉原にいそうだったので、アキバと呼ぶことにした。アキバに屈したNOZOKI部は、その夜は各自の部屋に帰った。
後日、バサラから召集がかかった。神妙な顔つきのバサラから語られるのは、果たして…
続く。
今日のおまけ
2016年年末、バサラの地元である諏訪へNOZOKI部みんなで行った時の写真。
第3話のリンク